「入社してまだ数ヶ月なのに、もう会社を辞めたい…自分は甘えてるのかな?」
そんな風にひとりで悩んでいませんか?
この記事では、「新卒で辞めたくなるのは甘えか?」という素朴な疑問に寄り添いながら、本当に辞めてもいいのかどうかを見極めるための判断材料をわかりやすくお伝えします。
■この記事を読むとわかること
- 「新卒で辞めたい=甘え」ではない理由と現実
- 辞めてもいいとされる具体的なケースと判断基準
- 辞めたい気持ちとどう向き合えばいいかの対処法
読了後には、あなた自身の気持ちを整理し、「このまま続けるか、それとも辞めるか」の正しい一歩を自分の意志で選べるようになります。
新卒だからこそ抱える不安に、今ここで一緒に向き合っていきましょう。
「新卒で辞めたい」は甘えなのか?

「会社を辞めたい」と思う気持ちになると、「自分は甘えているのだろうか?」と自分を責めてしまう人も多いです。
特に新卒で入社したばかりだと、「まだ入ったばかりなのに辞めたいなんて…」と考えてしまうのは自然なことだと思います。
しかし、実際に会社を辞めたいと思うこと自体は甘えではなく、自分の将来や健康を守ろうとする大切なサインかもしれません。
たとえば、産業保健の専門家は「違和感を覚えた段階での早期対応が、長期的な離職やメンタル不調を防ぐ鍵になる」と指摘しており、無理を続ける方がかえってリスクとなる可能性があります。
甘えではないと言える理由
以下のような理由から、新卒の「辞めたい」は一概に甘えとは言いきれません。
たとえば、次のようなケースが考えられます。
- 入社してすぐの職場が、自分に合わないこともある
- 体調やメンタルに影響が出ている場合は、無理に続ける方が危険
- どれだけ準備しても、実際に働かないと分からないことがある
また、厚生労働省の調査によると、新卒入社3年以内に3人に1人が離職しています(新規学卒就職者の離職状況)。
つまり、今では決して珍しいことではないのです。
多くの新卒が辞めたいと感じている現実
新卒で辞めたいと感じているのは、あなただけではありません。
以下のような背景が、多くの新卒を悩ませています。
- 理想と現実のギャップが大きく、戸惑いや不安が強い
- 配置された部署や人間関係にうまくなじめない
- 学生から社会人への変化に、気持ちがついていかない
新卒で入社したものの5ヶ月で辞めた私の親戚は、「社会人になってから漠然としたプレッシャーに悩まされ続け、毎朝涙が出てくる」と語っていました。
申し訳なさいっぱいで辞めた後に短期間の休養を挟み、次の職場(現在)では生き生きと働いているようです。
このように、辞めることが「逃げ」ではなく「自分らしく生きる選択」になることもありますよ。
会社を辞めたいという気持ちは誰にでもある自然なものであり、決して否定されるべきものではありません。
自分の気持ちに正直になり、心と体を守ることが、あなたの長い人生を健康に過ごすためには大切です。
新卒が辞めたくなる主な理由

新卒で入社したばかりなのに「辞めたい」と感じてしまうのは、あなただけではありません。
同じように多くの人が悩んでおり、その背景にはいくつかの共通した理由があるのです。
ここでは、新卒が辞めたくなる主な理由について、それぞれ詳しく解説していきます。
仕事や職場が合わない
実際に働いてみたら、思っていた仕事内容と違ったというケースは少なくありません。
たとえば、営業職を希望していたのに、配属されたのは事務職だったというのは割とよく聞く話です。
また、仕事内容が苦痛であったり、職場の雰囲気に馴染めないと感じることで「ここで長く働くのは無理かもしれない」と思ってしまうこともあるでしょう。
人間関係の悩み
退職理由の調査などでも、上位には必ず「人間関係のストレス」がランクインします。
例えば上司の叱責が厳しすぎたり、同僚との関係がうまくいかなかったりすると、仕事そのものよりも人間関係が大きな負担になります。
特に新卒は慣れるまで時間がかかるため、人との距離感に悩むことが多くあるようですね。
気軽に相談できる相手がいないことで、孤立感を抱えるケースもしばしばあります。
労働時間や待遇への不満
毎日残業が続いたり、休日出勤が多かったりすると、「聞いていた話と違う」と感じてしまいます。
特に、労働時間に見合った給料がもらえていない場合は不公平感が大きく募り、モチベーションの低下につながる可能性が高いです。
すぐに解消されればまだ良いですが、いずれ体も心も限界を迎えてしまうでしょう。
将来性や社風への不安
働き始めると、会社の方針や価値観が自分と合っていないことに気づくことがあります。
たとえば、年功序列が厳しかったり、中小でありがちな幹部陣が親族でギッチリ固められていて、いくら頑張っても出世の可能性がほぼ0なケースなどですね。
これらが積み重なることで将来へのモチベーションが保てなくなり、辞めたい気持ちが強まっていくのです。
辞めてもいいケースと判断基準

「新卒で会社を辞めたい」と思っても、すぐに行動に移すのは不安ですよね。
しかし、一定の条件が揃っているなら、退職という選択肢を前向きに検討した方がいいかもしれません。
ここでは、辞めてもいいと判断できる具体的なケースをご紹介します。
心身に不調がある
心や体に不調を感じている場合は、無理をせず休養を最優先にすべきです。
たとえば、朝起きるのがつらい、出社前になると腹痛や吐き気がする、通勤途中に涙が出る、などの症状が出ている時はすでに赤信号なことも。
健康でいることは何よりも大切ですので、退職を検討する必要があります。
ハラスメント・違法行為がある
パワハラやセクハラなどのハラスメント、サービス残業や休日出勤の強要といった違法行為がある場合は、すぐに対処が必要です。
会社に相談しても改善が見られないときは、退職が自分を守る手段になります。
また、労働基準監督署など外部の相談機関に相談することも、有効な解決策のひとつです。
やりたいことが明確になった
入社後に「本当にやりたいこと」に気づくことは自然なことです。
もし、他にやりたい分野や仕事がはっきりと見えてきた場合は、早いうちに方向転換をすることで、時間を無駄にせずに済むでしょう。
新卒のうちは若さや柔軟性があるため、第二のスタートを切りやすいという強みもあります。
上記のように、「辞めたい」という気持ちには明確な理由や背景があるケースが多く見られます。
自分の状況としっかり向き合い、無理せず冷静に判断することが大切です。
辞めるか迷ったときの対処法

新卒で会社を辞めたいと感じたとき、「本当に辞めるべきかどうか」と悩む人は多いです。(ほとんどの人?)
感情的に動いてしまうと、後悔につながる可能性もあります。
そのため、まずは冷静に状況を整理し、自分にとって最善の選択ができるように準備しましょう。
辞めたい理由を整理する
まず最初にすべきことは、「なぜ辞めたいのか」を明確にすることです。
頭の中で漠然と「つらい」と思っているだけでは、原因を取り除くこともできません。
- 仕事内容に興味が持てないのか
- 人間関係に悩んでいるのか
- 働く時間や給料など、環境や待遇面に不満があるのか
このように紙に書き出したり、スマホのメモアプリなどを使って整理することで、自分の気持ちや状況を冷静に判断できるようになります。
周囲や専門機関に相談する
一人で悩みを抱え込まないことも重要です。
信頼できる友人や家族に話すだけでも、気持ちが軽くなることがありますよ。
さらに、ジョブカフェなどの若者向け就職支援窓口、転職エージェントなど、専門的なサポートを受けられる場所もあります。
中立的な立場からアドバイスをもらえるため、自分では気づかなかった選択肢に出会えることもあるでしょう。
続けられる工夫が無いか探す
辞める前に、「今の環境で改善できることはないか」を考えてみるのもひとつの方法です。
- 上司に業務の相談をして負担を軽くしてもらう
- 部署異動を希望する
- プライベートの時間を充実させてストレスを減らす
など、小さな工夫で気持ちが楽になるケースもあります。
上司に相談したり、部署異動を希望するなど、続けるための工夫を試したうえで、それでも無理だと感じた場合には、辞めるという選択がより納得のいくものになるでしょう。
新卒で辞めるメリットとデメリット

新卒で会社を辞めると、「せっかく入社したのにもったいなかったかな」と思う事もあるかもしれません。
しかし、早めに決断することで得られるメリットが存在します。
一方で、注意しなければならないデメリットがあることも知っておかねばなりません。
この章では、新卒で辞めた場合のメリットとデメリットを整理していきます。
若いうちに再出発できるメリット
新卒の段階で早めに辞めることには、次のようなメリットがあります。
・年齢が若いため、未経験の分野にも挑戦できる
・「若手ポテンシャル採用」など、第二新卒向けの求人が多くある
・早い段階で自分に合う職場を見つけ直すことができる
たとえば、ある20代前半の友人はIT企業に新卒入社しましたが、仕事内容に強い違和感を覚えて半年で退職。
その後、営業職へ転職し、現在はやりがいを感じながら活躍しています。
経歴にキズがつくなどのデメリット
一方、新卒での早期退職は下記のようなデメリットがあることも理解しておく必要があります。
・履歴書の印象が悪くなりやすく、採用担当者に「またすぐ辞めるのでは」と思われる可能性がある
・仕事の基本スキルやビジネスマナーが身につく前に辞めると、次の職場で苦労しやすい
・周囲の理解が得られにくい場合があり、孤独感や不安を感じることも
辞めること自体は労働者の権利であり特別なことではないですが、「採用側からどう見られるか」という視点には注意が必要です。
新卒で辞めるかどうかは、メリットとデメリットの両面を見て判断することが大切です。
「若さ」は大きな武器ですが、行動する前にしっかり準備しておくことで、次のステップをより確実なものにできます。
転職活動での注意点と準備

転職活動を成功させるためには、いくつか重要なポイントを押さえておく必要があります。
特に新卒で退職を考えている場合は、まだ社会経験が浅く、準備不足で後悔することも。
たとえば、面接でうまく答えられなかったり、入社後に職場が合わず違和感を覚えるなどの例があります。
ここでは、転職活動で意識しておきたいポイントと準備について解説します。
前向きな退職理由の伝え方
面接では「なぜ辞めたのか?」という質問が必ず出てくるはずですが、その時にネガティブな感情だけで話すのは避けましょう。
たとえば「上司と合わなかった」「残業が多くてつらかった」だけでは良い印象は持たれません。
「前の会社は良い環境だった」「社長はもちろん、社員も良い人達ばかりだった」など、前の職場へのフォローを交えつつ「より興味のある分野で挑戦したい」「チームワークを重視できる職場で力を発揮したい」といった前向きな理由を組み合わせることで、印象が悪くなることを防げます。
自己分析と企業研究
転職を成功させるには、自分に合う仕事を選ぶことが大切です。
そのためには、まず自己分析を行い、「自分はどんな仕事にやりがいを感じるのか」「どんな職場が合っているのか」を考えてみましょう。
また、応募する企業についてもしっかり調べておくことが重要です。
企業理念、仕事内容、社風などを知ることで、ミスマッチを防げる可能性が高まるはずですよ。
企業について調べる際には、公式ホームページや採用ページ、口コミサイトや転職サイトの企業レビュー欄、実際に働いている人のSNSなどを活用するとよいでしょう。
複数社の選考を受ける
1社だけに絞って転職活動をするのは、リスクが高いのでお勧めできません。
万が一その企業が不採用だった場合、精神的にも時間的にもダメージが大きくなりますので。
複数の企業に応募し、比較しながら選考を進めることで、自分に合った会社を見つけやすくなります。
また、選考の場数を踏むことで面接の受け答えにも慣れ、自信がついていきますよ。
面接ではあなたがその会社に見合う人材なのか見られますが、同時に
その会社があなたに相応しい会社なのか
も見極めましょう。
まとめ

「会社を辞めたい」と思うことは、新卒であっても決して甘えではありません。
「この仕事は自分に向いているのだろうか」「このまま続けて将来は大丈夫だろうか」と考え、むしろ自分の人生に向き合っている証拠です。
特に、新卒1年目は社会人としての環境に慣れるのに時間がかかり、戸惑いや不安が大きくなる時期です。
悩みを一人で抱え込まずにノートに書いたり、信頼できる人に話してみることから始めると、気持ちが少し軽くなるかもしれません。
重要なことは「辞める」か「続ける」かではなく、「自分が納得できる選択ができたかどうか」だということを忘れないでくださいね。
あなたの人生はあなたが主役!無理をせず、自分に合った道を選びましょう。